2019年11月10日日曜日

#8 亀の甲より年の功

こんにちは!
Yamatoです。

いよいよオーストラリア生活も残り約一ヶ月を切りました。時間が経つのがすごく早く感じます。

さて今月も仕事のほうは毎日忙しかったです。今月からうちのワークショップでは2人の新しいメカニックの仲間が増えました。どちらも若者なのでとても話が合います。

・不動車の原因探求

ある日現行のCR-Vがレッカーされて入庫してきました。2018年式の真新しい車ですがエンジンがかからい状態らしいです。お客様は壊れた時にエンジンルームから焦げた匂いがしたとおっしゃっております。古い車でエンジンがかからなくなるのは分かりますが、新しい車でそのような状態になるのは珍しいと思います。

また古い車でエンジンがかからないとなると、経年劣化などの影響で機械部分の故障が疑われます。例えばタイミングベルトの切れなど。

別の日に入って来たB16Aエンジンのタイミングベルト破損
タイミングベルトとはエンジンのクランクシャフトとカムシャフトのタイミングを合わせる重要なゴム製のベルトです。ちぎれたり破損してしまうとエンジンが正常に動かなくなるおそれがあります。またゴムで出来ていてちぎれやすいので10万キロごとの交換をお勧めしています。

上の例は経年劣化の影響での故障ですが、新しい車は昔の車に比べると電子制御の部分が増えるので機械部分の故障より電気部分の故障が疑われます。

今回入ってきたCR-Vはバッテリーは正常ですが、セルモーターすら動かない状態でした。また沢山の警告や異常を示すランプが付いていました。

上の写真よりちょうどスピードを表す表示の左隣、通常はどのシフトに入っているかをP,R,N,D,Sのアルファベットで表すはずですがどうやら文字化けしております。わたしはこれを発見をした時に、車が今P(パーキング)以外のシフトに入っていると勘違いしているのではないかと考えました。車は通常P(パーキング)にシフトが入っていないと安全の為エンジンは始動しません(新型のCR-Vのみ)。したがってトランスミッションのシフト位置を検知するセンサーかなにかに異常があるのではないかと思い、診断機にかけてみました。しかしトランスミッション系でのセンサー類では異常コードが出て来ませんでした。

次に、診断通路の通電確認を行いました。
診断結果


すると、診断結果よりTCU(トランスミッション・コントロール・ユニット)の断線が確認されました。なのでちゃんと動く中古車からTCUだけ借りてきて交換してテストしてみるとなんとエンジンが始動しました。
壊れたTCU
原因はTCUにありました。壊れている方のTCUは外見はとくに異常ありませんが、匂いを嗅いでみたらすこしですが焼け焦げ臭かったです。おそらくTCUの内部で回路のショートが起き回路が焼け焦げてしまったのだと考察します。新しい車の故障探求は珍しいのでよい経験になりました。

・その他


普段お客様から車をお預かりする時に、車について気になるところなどをお客様に聞くのですが、こないだお客様から左フォグランプの下のパーツがなくなってしまったからチェックしてほしいとの事がジョブカードに書かれていたのでチェックしてみました。
見にくいですが左フォグランプ下だけに不自然に穴が開いている
左側のフォグランプ下にだけ穴が開いており一見”なんで左だけ”と思うかもしれませんが、この穴はトランスミッションフルードのオイルクーラーに風を取り入れる為の穴です。このことについてはAUHで研修をしていた時に学びました。その時のブログはこちらから。だからお客様に説明する事が出来ました。
学んだ知識を活用できるのは楽しいですね。


プライベートについて

今月はみんなでシドニーに行きShotaroに会いにいきました。久々に成長したみんなと会えて楽しかったです。
ボンダイビーチをバックに
この写真をたまたま道を歩いていた現地の人にビーチをバックに撮ってと頼んだら”いいよ!まかせろ!”って言って撮ってくれたのですが、イマイチな感じになっちゃいましたね。


往復1600㎞のドライブはとても長く感じました。オーストラリアは広い国です。

それではあと一ヶ月楽しみたいと思います。