2019年9月10日火曜日

#6 蛇の足より人の足

こんにちは!

Yamatoです。こちらオーストラリアは9月に入り少しずつ暖かくなってきました。

気温が暖かいと一日の気分もいいですね。

仕事についてですが、今月は特にエアバックのリコールが多かった印象です。
エアバックのリコールだけで一日30台行った日もありました。大変です。



さてEssendon Hondaでは、タイヤ交換2本以上行うとホイールアライメントをお勧めしてます。



ホイールアライメントとは車を真っ直ぐに走らせる為に行う足回りの調整です。

専用のホイストで4つのホイールにセンサーを取り付けます。

専用のパソコンに車両情報を入力し測定を開始します。

リアアクスルの測定値です。
上の画像より右後ろのタイヤがトーアウト(上から見て外向き)、左後ろのタイヤがトーイン(上から見て内向き)になっている事がわかります。

車はトーイン(両タイヤが上から見て内向き)が理想です。直進安定性が上がります。

両タイヤがどちらとも内側を向いていると中心に向かって車が向かうからです。

リアアクスルの調整ボルト
ロックナットを緩めて、調整ボルトにて調整します。
調整後の値
次にフロントの調整を行います。
フロントアクスルの測定値

フロントはハンドリングに大きく影響を起こすので慎重に調整を行います。

タイロッドエンドのロックナットを緩めます。
マツダの車はこのロックナットがすごく固いです。

ラックエンドにて調整します。
パソコンの測定値を見ながら調整を慎重に行います。
調整後の前後の測定結果

調整後は公道にて工具を持っていきテストドライブを自分で行い、ズレてたら路駐してハンドルを切って微調整をするという流れです。

車の内装の形状によってハンドル自体は真っ直ぐだが、錯覚で若干ズレてるように見える車もあるのでその辺の微調整がとても大変です。

ですが、我々整備士はお客様が不安に感じられないように整備する事が最も重要です。

足回りはちょっとの変化でハンドリングが大きく変わるのでとても面白いです。




8月の後半にホワイトナイトというメルボルンで大きな光の祭典があったので英語学校の友人達と行ってきました。

プロジェクションマッピングなどでメルボルン中が夜なのに明るく照らされていました。

 


今月はこの辺で終わりにしたいと思います。

それではまた来月お会いしましょう!
 

2019年8月10日土曜日

#5 一挙両得

お久しぶりです。Yamatoです!

8月のオーストラリアは毎日とても寒く、夏の日本の暑さがうらやましく感じてます。

さて、今月もEssendon Honda はありがたい事に毎日休む暇がないくらい忙しいです。

最近はほぼ一人で仕事をさせてもらっております。一日の中でやらせていただく仕事はサービスがほとんどですが、たまに通常の修理やリコール対応なども行ってます。


ある日、アコード(日本だとインスパイア)の170,000kmサービスをしていた時にオイルパンの底に大量のオイルが付着しているのを発見しました。


右上のねじ穴がオイルドレインホール
私はこれを発見した時、ホンダ車にありがちなシリンダーヘッドカバーからのオイル漏れかと思ったのですが、オイルをよく観察してみたらエンジンオイルほど汚れていなく、匂いがエンジンオイルに比べてもっと刺激臭で金属臭が激しくパワーステアリングフルードっぽかったのでたどってみました。

すると、予想どおりパワーステアリングポンプからのオイル漏れを発見しました。
画像中央に位置するのがパワーステアリングポンプ
この世代のホンダ車(ユーロアコード、CR-V、FDシビック)は経年劣化などの影響で今の時期にパワーステアリングフルードの漏れが起こりがちな印象です。

パワーステアリングフルードが漏れを起こすと、ハンドル操作が重くなったり、目一杯ハンドルを切ると振動を感じたりとドライバーが運転に不安を感じてしまいます。

したがって今回はパワーステアリングポンプのオーバーホールの見積もりをお客様に出し、後日オーバーホールを実施しました。

また整備をするときはしっかり観察し考える事が重要であると思います。



今月は燃料フィルターの交換が特に多かった印象です。

Essendon Hondaでは燃料フィルターは過走行車のサービスで交換をお勧めしています。

日本では車は10万キロ走ると新しい車に乗り換えする方が多いイメージですが、オーストラリアでは毎日のように10、20万キロ越えやたまに60万キロ越えの車なども入庫してきます。

ある日ホンダJazz(日本ではFit)の燃料フィルターの交換をしました。この車は走行距離1万キロで過走行車ではないのですが、お客様曰く結構な頻度で一回のスタートでエンジンがかからないとの事で数日前に他のワークメイトが故障探求をしたところ燃料ポンプの調子が悪い事が判明しました。
燃料ポンプは燃料フィルターの中に入っているので、保証で燃料フィルターごと交換しました。

また燃料フィルターは燃料タンクと一緒についています。


ホンダの一部の車(Jazz/Fit、HR-V/VESEL、City/Grace、軽自動車など)はセンタータンクレイアウトを採用しています。

燃料タンクは一般的に後部座席の下に位置するのですが、それを車の中心の運転席と助手席の下に配置する事によって後部座席を広く出来たり、低床にする事が出来ます。

よって上の写真のから分かる通り燃料フィルターをパーキングブレーキレバーの場所から取り出します。

左が新品、右が取り出した物
通常は中身のポンプだけ新しいフィルターに移し替えるのですが、今回はポンプの故障なのでフィルターごと交換しました。


リコール対応もたまに行います。
最近多いリコールはCR-Vのシフトレバーノブのリコールです。
シフトレバーのノブのみのリコール
シフトレバーのノブの材質が熱と湿度により破損しギヤをセレクトするのが困難になるおそれがあります。
左が取り出した物、中央と右の物がリコールで交換する物
左が取り出した物、右が交換する物
ノブ単体で見比べてみたのですが、違いが全く分かりませんでした。

左が交換する物、右が取り出した物
しかし、スプリングを比べてみたら交換品は元のスプリングより柔らかかったです。
材質を変え、スプリングを柔らかくし破損を防ぐのだと考察します。



プライベートについてですが、
今月は両親が日本から観光に来てくれたのでメルボルン市内やフィリップ島へ連れて行きました。
クイーンビクトリアマーケットのサタデーマーケット

オージー風お茶漬け

フィリップ島のワイルドライフパークで動物達とのふれあい

アジア観光客に人気のブライトンビーチ
満足してくれたのでうれしかったです。




それではまた来月お会いしましょう!

2019年7月10日水曜日

#4 走れば躓く

こんにちは!Yamatoです。

7月になり、オーストラリアはいよいよ本格的に寒くなってまいりました。
寒さに負けず日々の生活を頑張っていきたいと思います。

さて、今月はHonda Australia Workshopでの3ヶ月間の仮研修が終わり、6月11日からEssendon Hondaに配属され実際のディーラーにて本研修が始まりました。

Essendon HondaのWorkshop

今後6ヶ月どういった仕事をさせてもらえるのか楽しみな反面、これまでとは違って実際にお客様から車を預かり、整備して、その対価としてお金をいただくので、より責任ある仕事をこなさなくてはなりません。そしてお客様の心まで直すという本田宗一郎の言葉を忘れずに研修に挑みたいと思います。

まず初日からありがたい事に大忙しで一人で仕事をさせてもらいました。
リアサイドガラスの交換を行いました。
ここまで割れてるのは見たことがなかったのでびっくりしました。
自動車用ガラスは、事故などで割れた破片の影響で乗員がケガをするのを防ぐ為に割れた時に破片が細かくなる構造になっています。

したがってガラス交換をする際は細かな破片をすべて掃除機で取り除く必要があります。
内装をすべて剥がします

掃除機が入らない場所はワイパーゴムの骨組みなどをつかって取り除きます。
破片をすべて取り除いたら、新しいガラスを組み付けます。


ディーラーでは色々な車に触れる事が出来ます。他メーカーや、バス、トラックなど。
タクシーが入庫してきました。
お客様の依頼はサイドバイザー、ボンネットガードの取り付けです。
英語の説明書を見ながら作業を進めます。



分からない事はワークメイトに教わります。
自分一人で行うのではなく、チームみんなで助け合いながら作業を行う事でよい整備ができると感じました。


10万キロサービスでワークメイトとバルブクリアランス調整を行いました。
学校の授業ではエンジン単体だけでやっていたので、実際に車にエンジンが乗った状態でのバルブクリアランス調整は初めての体験でした。

扇風機を使ってエンジンを冷やします。
なぜ事前にエンジンを冷やす必要があるのかというと、朝お客様が家からディーラーまで車で来られてエンジンは温まった状態で入庫してきました。

エンジンが温まった状態でバルブクリアランス調整を行うと熱膨張により正しい値に調整出来ません。
したがってエンジンをいったん冷やしてから調整を行います。
クランクシャフトを回す為に、工具をサービスホールへ入れます。

特殊工具を使いクリアランス調整を行います。

現状は毎回やらせていただく仕事は初めての事ばかりなので毎日勉強になります。
これからもっと信頼される整備士になろうと思います。





プライベートについて、

今月はマウントブラーに行ってきました。メルボルンから車で3時間くらいのところにあります。

スキーや雪遊びを楽しむ事が出来ます。




ドライブインシアター

車の中から映画を見る事が出来ます。音声はラジオから聞けます。

今月はこの辺で終了にしたいと思います。

2019年6月10日月曜日

#3 木の長きを求むる者は、必ず根本を固くす。

こんにちは!Yamatoです。
ブログの時期がやってまいりました。

さて、今月も沢山の事を学びました。6月7日にてワークショップでの研修が終了しました。今週からはいよいよディーラーでの研修がスタートします。

まず仕事についてですが、今月は先月よりも基本的な仕事(タイヤ交換や洗車)が多かったかなと感じました。

ある日、研修担当のデニスさんがシビックのテストドライブに行った時に高速道路でスピードを出すと異音がするとの事で4輪すべてのホイールバランスの調整を行いました。

ホイールバランスの調整を行う機械。スイッチ一つ押すだけで測定開始します。
正常値
異常値。4本中1本だけおかしかったです。

これだけバランスが狂ってるとタイヤを回すとホイールがブレるのが見て分かるレベルです。そしてこのブレがロードノイズとして高速走行したときに出ます。
おもりを付けてブレを調整します。

もう一つタイヤ関係のトラブルでとても勉強になった事があります。
ある日、シビックの40,000km点検を行った時にオーナーの方からタイヤ交換の依頼が来てたのでタイヤをチェックした所、
フロントタイヤの状態。
ほぼ溝がない状態で入庫してきました。これは非常に危険な状態です。この車は新車の時からタイヤを変えてないとの事ですが、上の写真より左側の内側だけ明らか摩耗が激しい様子が分かります。タイヤの剛性を保つ役割のワイヤーがむき出しています。
そこで私が思ったのが、

”なぜ左側のタイヤだけ偏摩耗なのか?”

この車はフロントエンジン、フロントドライブという前輪駆動の車です。なぜ左側だけ負担がかかってるのか私なりに考察してみます。

この写真より、右がトランスミッション、左がエンジン

まず前輪駆動の車なのでエンジンとトランスミッションが並列に設置されています。運転席から見て右側がエンジン、左側がトランスミッションという配列です。

車の動力はおまかに、エンジン→トランスミッション→タイヤの順番で伝わっています。

この車の場合、運転席から見て左側にトランスミッションがあるので左側のタイヤは右側のタイヤと比べてトランスミッションに近い事が分かります。

タイヤとトランスミッションが近いという事は伝達効率が良いので、加速すると左側のタイヤに先に動力が伝わる事から、右より左側に負担がかかると考察します。


ホンダ車以外も整備する時もあります。この日はトヨタ車が入庫してきました。ホンダの車と比べるとジャッキアップポイントの形状が違ったりと比べる事が出来ました。
冷却水が熱によって固形になっている。


下回りのチェックをしていると冷却水の漏れを発見しました。ホンダは冷却水が青いのですが、トヨタ系やヤマハなどは冷却水が赤いという事を学校の先生が教えて下さったので実際に発見したときは少し新鮮でした。




プライベートについて、

今月は、フィリップ島へもう一度行きカンガルーと触れてきたり、グレートオーシャンロードへちょっくらドライブに行ってきたりしました。
フィリップ島

グレートオーシャンロード

それではまた来月お会いしましょう!



2019年5月10日金曜日

#2 光陰矢の如し

こんにちは!Yamatoです。

先月のブログから約1ヶ月が経とうとしています。
オーストラリアは日本とは季節が逆な為、気温は徐々に低くなってきております。
また紅葉を見る事が出来ますが、桜はまだ見る事が出来ません。

さて、まずお仕事についてですが今月も主にサービスをさせていただいております。ですが、最近はPre-Delivery Inspection(納車前整備、以降PDI)をやらせていただく事が多くなりました。PDIとは、工場からやって来た新車がお客様に届けられる前に装備品の装着、洗車、最終的な検査などの作業を行います。


工場から運ばれてきたばかりなので、プロテクター類が装備されたまま入庫されます。
PDIのチェック表です。検査項目は約140個あります。
PDIの作業の中ではフロアマットの取り付けの作業が含まれています。
運転席側のフロアマットは必ず車両側と金具にて固定しなければいけません。この作業はコツがいるので私はあまり得意ではありません。
金具を取り付ける為に床に穴を空けます。

床をクリップで挟み込むイメージで取り付けるのですが、見えない所で手探りで行うので難しいです。


もしフロアマットが固定されていなかったら、運転中にズレたマットがアクセルペダルに引っ掛かりペダルが戻らなくなる危険性があります。10年前にアメリカの高速道路で日本車のフロアマットがアクセルペダルに引っ掛かり時速160kmで柵に衝突するという痛々しい事故もありました。二度とその様な事故を起こさないように心掛けながら車作りをして行く事が大切だと思います。

あとは、CVTF(CVT・フルード)のオイルクーラーの取り付けをShunと行いました
。CVTFは主にCVT内のベルトとプーリーの潤滑、プーリーを動かす為の油圧機構の役割があります。オイルクーラーとはCVTFを走行風によって冷却する装置です。
走行風を取り込む為、フロント左側のダミーバンパーグリルを穴の開いたグリルに交換
この車は新車で購入後、トーバー(ヒッチメンバー)というなにかを牽引するためのフックを取り付けました。牽引して走行するという事はよりCVTに負荷がかかるのでCVTFを冷却する必要があると考えます。したがって、今回オイルクーラーを取り付けました。

取り付け前

取り付け後
休日はShun,Shu,Shotaroとグレートオーシャンロードに行ってきました。自然が壮大でとても楽しかったです。

先週はホストファミリーがフィリップ島へ旅行に連れて行って下さいました。フィリップ島はサーキットがある他、野生のペンギンやコアラをみる事が出来ます。

今回はこの辺で終了にしたいと思います。
それではまた来月ブログにてお会いしましょう。
See you~